障害年金と就労

精神疾患や発達障害で障害年金を受給されている方から頻繁にいただく質問があります。

「働いたら障害年金は停止もしくは減額になりますか?」

 

まずは、障害年金の認定基準を確認します。

等 級障 害 の 状 態 の 基 本
1級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものとする。この日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。
例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものである。
2級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。
例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。
3級
※厚生年金保険のみ
労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。
また、「傷病が治らないもの」にあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。(「傷病が治らないもの」については 、第3の第1章に定める障害手当金に該当する程度の障害の状態がある場合であっても3級に該当する。)

噛み砕くと、以下のようになるでしょう。

1級 ➡ 労働はできず、ほとんど寝たきり。日常生活には他人のサポートが必須。

2級 ➡ 労働はできず、日常生活にも著しい支障があり、多くの事に他人のサポートが

     必要。

3級 ➡ 労働に制限やサポートが必要で。日常生活にも支障があり、時により他人の

     サポートが必要。

 

ここから考えますと、一般企業で一般職員としてフルタイム就労していれば、障害年金の受給は難しいでしょう。

 

では、3級の「労働に制限やサポートが必要な状態」とはどんなものでしょうか?

明文化はされていませんが、経験上「就労支援」「障害者雇用」がこれに当たることが多いです。

ただし、たとえ障害者雇用であっても給与が高かったり、就労上の援助がそこまで必要な状態だと3級に該当しないこともあります。

 

また、就労支援や障害者雇用であっても、就労上の配慮が手厚く、周囲のサポートなしでは就労が難しいような状態であれば2級に該当する場合もあります。

 

では、審査機関はこの就労の状況はどのように確認するのでしょうか?

 

1つは、障害年金の請求を行う方本人が作成する「病歴・就労状況等申立書」です。

この書類は、発病から請求日までの生活歴および就労歴を記載します。

また、請求時点での就労状況を(さかのぼって請求する場合は認定日時点の就労状況も)詳しく記載します。

審査に影響する書類ですから、障害者雇用で働いていた期間や就労支援を利用していた期間について、職場で受けていたサポートや配慮、就労における支障などをきちんと記載することが必要になってきます。

※当センターのお手続きのお手伝いサービスには、こちらの書類の作成も含まれております。

 

2つ目は、医師が作成する診断書にある就労に関する記載です。

非常に小さな枠で、記載する内容も就労形態や賃金額、就労内容等のわずかな項目なのですが、障害年金の審査を行う医師(認定医)はここから就労実態や就労能力を判断するのです。

ですから、日頃から就労上どういったことで困っているのか、どういった援助を受けているのか、等を正しく医師に伝えておくことは非常に重要です。

 

最後に、日本年金機構が把握している厚生年金の加入歴からも就労状況の判断が行われます。

いつからいつまで、どこの会社で、いくらくらい給与(賞与)をもらっていたか等の情報を、日本年金機構は把握しています。

しかしながら、この情報からは、その就労が一般雇用なのか障害者雇用なのかを判断することはできません。

ですので、障害者雇用や就労支援事業所で働いていた歴があるのであれば、1つ目で挙げた「病歴・就労状況等申立書」と2つ目で挙げた「診断書」の中で、きちんと記入することが非常に重要であると言えます。

 

もしこのコラムをお読みいただき、「自分の場合は該当するだろうか?」「該当しそうだけど何から始めたらいいかわからない」のように思われた方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

 

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