病院と薬障害年金を受給する条件の一つに「障害状態要件」がありました。(→障害年金受給の3つの条件

では、発達障害の場合には、どのような状態になったときに障害年金がもらえるのかを見ていきます。

「国民年金・厚生年金 障害認定基準」(全文はこちら)には以下のように書かれています。

障害認定基準

発達障害による障害の程度は、次により認定する。

1 認定基準

E 発達障害

(1) 発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう。
(2) 発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う。

また、発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。

(3) 発達障害は、通常低年齢で発症する疾患であるが、知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が20 歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とする。

(4) 各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。

障害の程度

page1image3770768192障害の状態page1image3729496352

1級

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの

2級

page1image3770773744発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの

3級

page1image3729668336発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの

(3級は、初診日時点で厚生年金に加入していた方のみが対象)

(5) 日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。

(6) 就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。

したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するととも に、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。

おおまかな捉え方をすると

一概には言えませんが、大まかに捉えるなら各等級は以下のような状態と言えると思います。

常に誰かの援助がなければ日常生活を送れない状態が1級。

日常生活にも労働にも支障がある状態が2級。

労働に支障がある状態が3級。

 

等級判定ガイドライン

発達障害による障害年金の審査においても、平成28年9月からは「精神の障害にかかる等級判定ガイドライン」(全文はこちら)が審査に適用されています。

必ずこの表の通りになるわけではありません。あくまでも一つの目安です。

<留意事項>

障害等級の目安は総合評価時の参考とするが、ここの等級判定は、診断書等に記載される他の要素も含めて総合的に評価されるものであり、目安と異なる認定結果と貼ることもあり得ることに留意して用いること、が記載されています。

<表の見方>(診断書の様式はこちら

①横軸の「程度」は、診断書の裏面右上にある「日常生活能力の程度」の5段階評価を指しています。

②縦軸の「判定平均」は診断書裏面左上にある「日常生活能力の判定」の4段階評価を軽い方から1〜4の数値に置き換え、その平均を算出したものです。

③障害基礎年金の場合は、「3級」を「2級非該当」に置き換えて考えます。

 

発達障害での認定の難しさ

発達障害で障害年金を請求する場合の難しい点は、同じ病名を診断されていても人それぞれに症状の程度や日常生活・就労への影響の大きさが違ってくることにあると思います。

「等級判定ガイドライン」により、「程度」と「判定平均」という2つの数値を使うことで定量的に審査がされるようになりました。

しかし、留意事項にもある通り、あくまでも「程度」と「判定平均」の数値だけをもとに等級が決まるわけではなく、診断書の内容をもとに総合的に審査が行われますので、上の表で同じ枠に該当する場合でも、ある人は障害年金がもらえて、他のある人は障害年金がもらえない、といったことも起こり得るのです。

特に「1級または2級」や「2級または3級」の枠に該当する方は、診断書を総合的に判断して、どちらの等級にふさわしいかを審査されますので、数値以外の診断書の部分も非常に重要になってきます。

 

発達障害での障害年金と就労

発達障害での障害年金でのことで、よく質問をいただくのが「働いたら障害年金は止まりますか?」というものです。

認定基準にを再度見てみると、次のように書かれています。

(6) 就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。

したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するととも に、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。

この箇所を読むと、働いたからといってすぐに障害年金を止められることは無いと思われます。

しかしながら、あくまでも援助や配慮のもとで労働をしていることが前提になるので、就労支援事業所や障害者雇用での労働以外であって安定的に働けるようになれば、障害年金は停止になるものとも読み取れます。

 

もしあなたが就労支援や障害者雇用で就労している状態で障害年金の請求や更新手続きを行う場合には、労働の種類が就労支援や障害者雇用であること、職場で援助や配慮を受けていること・その内容を日頃から主治医に伝え、診断書にきちんと反映してもらうことが重要になります。

 

大切なこと

発達障害での障害年金の審査は「総合的に評価」されます。

要は、診断書にある全ての記載内容が大切なのです。

 

診断書の記載内容が、より”実態”を反映したものにしてもらうためには、日頃から主治医に自身の病状や生活状況、仕事の状況などをしっかりと伝えておくことが大切です。

特に就労状況については職場でどのような仕事をしているか、どのような配慮・援助を受けているか(短時間労働、特別休暇があるなど)、家族のサポート(送迎等)の有無等を具体的に伝えておくことが重要です。

※体調不良等により言葉で伝えるのが難しい場合には、前回の診察から今回の診察までの病状や生活上・仕事上の出来事についてメモやお手紙にまとめるなどして伝える方法も有効かと思います。

 

 

当記事をお読みいただいて、「自分の場合はどうだろう?」「まず何から始めたら良いだろう?」と思われた方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、北海道障害年金相談センターへご相談ください。

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