初診日がわからない時の対処法はある?

当記事は令和2年11月20日に情報を加筆致しました。

初診日がわからない時はどうしたら良いですか?

障害年金を申請するときに非常に重要になるのが初診日です。

初診日とは「障害年金を申請する傷病で初めて医師または歯科医師の診察を受けた日」とされています。

初診日から障害年金を申請できる”障害状態”に至るまでに、長い年月が経過しているケースも多く、初診日が証明できないと障害年金を受給できる可能性は非常に低くなってしまうため、注意が必要です。

 

この記事では、初診日がわからない・証明してもらえない場合にどうしたらよいかについて解説していきます。

初診日の証明方法は?

まずは、初診日はどのように証明するかを確認します。

初診日は、初診の医療機関に「受診状況等証明書」という書類を作成してもらうことにより証明します。

この書類は原則、カルテ(診療録)を元に作成してもらいます。

単純に思えるかもしれませんが、ここに落とし穴が潜んでします。

それは、カルテ(診療録)の保存義務期間が5年であることです。

 

障害年金を請求しようとする時点でも、初診の医療機関に受診し続けている方であれば、ほぼ問題ないでしょう。

しかし、転院などで初診の医療機関に受診しなくなってから5年以上経過している場合には、カルテが廃棄されてしまっている可能性も否定できません。

カルテが廃棄されていれば、初診日を証明してもらうのは非常に難しくなります。

カルテがない。そんな時は

カルテが廃棄されていて、初診日の証明をしてもらえない。

そんな時に初診の医療機関に確認してみてほしいものがあります。

それは「レセプト」を作るコンピューターのデータが残っていないかという点です。

 

レセプトデータをもとに「受診状況等証明書」を作成してもらうことができ、その書類の中に初診日や病名、診療科などの重要な情報が入っていれば、初診日を認めてもらえる場合があります。

もし重要な情報の一部が欠けていたとしても、他の書類との合わせ技で認められる可能性もあります。

レセプトデータも残っていない…

カルテもレセプトデータも廃棄されていて、医療機関から「初診日を証明することができない」と断られてしまった…。

そんな時に提出する書類があります。

「受診状況等証明書を添付できない理由書」です。

 

でも、この書類はただ出せば良いというものではないのです。

何故かというと、この書類は「理由があって受診状況等証明書を添付できないので、代わりに証明になるものを提出します」という書類だからです。

代わりに証明になるものの一例としては、以下のようなものがあります。

・障害者手帳

・障害者手帳取得時の診断書

・初診の医療機関から2番目の医療機関への紹介状

・生命保険や損害保険の給付申請時の診断書

・労災保険の診断書

・健康診断の記録

・お薬手帳、糖尿病手帳

・母子手帳

・診察券、領収書 

これらももちろん、初診日の証明につながるものでなくてはなりません

一つでは初診日を証明し得なくても、合わせ技で認められる可能性もあります。諦めずに探してみてください。

もし、証明できそうなものがいくつか見つかった場合には「受診状況等証明書を添付できない理由書」を用意するとともに、2番目に受診した医療機関から「受診状況等証明書」を取得します。

2番目に受診した病院に、初診の医療機関からの紹介状(初診日の記載があるもの)が残っていれば、その書類のコピーを添付して「受診状況等証明書」を作成してもらえば、証明はOKです。

もし紹介状などの初診日を証明できる書類が残っていなくてもカルテが残っている場合には、受診に至った経緯や治療歴の経過が残っていないか、を確認してください。

例えば、以下のような記載です。

・頭痛や不眠があり、平成○年○○月頃に自宅付近の精神科受診

・〇〇歳時、下肢に痛みと痺れを感じ、A病院の整形外科を受診

このような記載が障害年金の請求する日から5年以上前に行われている場合には、この記載をもって初診日の認定を行うこととされています。

また、記載が請求日の前5年以内に行われている場合でも、他の証明書類との合わせ技で初診日の認定を行うこととされています。そのためレセプトや診察券などの資料が残っていると、証明力を上げられる可能性があります。

それでも証明できない時は…

上記の方法でも初診日を証明することが難しい。

そんなときに提出する書類が「初診日に関する第三者からの申立書」です。

この書類に関しては、後日、別立てで記載いたします。

最後に

この記事では「初診日がわからない場合にはどうしたらよいか?」というよくある質問への回答として、いくつかの方法を解説しました。

この記事をお読みになって「初診日が見つからない」「証明方法がわからない」等お困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、障害年金専門のTAMA社労士事務所にご相談いただければと思います。

初回のご相談は無料です。

また、ご自身でお手続きを行うのは難しいとお考えの方には、お手続きのお手伝いも行っております。(有償)

お手伝いの料金は着手金1万円、医療機関に支払う診断書等の作成料(実費)、住民票等の取得料金(実費)以外はご相談者様が障害年金を受給できた場合のみ料金が発生する料金体系です。

安心してご相談ください。

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執筆者プロフィール

玉置 伸哉(社会保険労務士)

1982年生。八雲町生まれ旭川市育ちの生粋の道産子。

アルバイト時代の仲間が、就職した会社でパワハラ・セクハラ・給与未払いなどの仕打ちを受けた挙句に身体を壊したことをきっかけに社会保険労務士を目指す。

札幌市内の社会保険労務士事務所で7年間従事、うち6年間を障害年金の相談専門の職員として経験を積み2018年4月に退職。

2018年8月に社労士試験を受験(6回目)し、同年11月に合格。

2019年2月、障害年金専門のTAMA社労士事務所を開業。

障害年金に特化した社会保険労務士として、障害年金請求のサポートを日々行っております。

また、就労支援事業所様等において「30分でざっくり覚える障害年金講座」「障害年金出張相談会」を積極的に行っています。

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