障害年金を申請する上での3つのポイントを1つ1つ詳しく説明していきます。

2つ目は「保険料納付要件」です。

 

要件を確認します。

初診日の前日までに年金保険料を一定以上納付していること(保険料納付要件)

障害の初診日の前日において、20歳から初診日のある月の前々月までの全期間のうち3分の2以上を納付または免除していることが必要になります。

これを満たさない場合は、初診日の前々月から前1年間に未納がないことが条件になります。(初診日が平成38年3月31日までにある方が対象)

※納付も免除も初診日前日までに行わなければなりません(詳しくはこちら

※初診日が20歳未満の方は、納付要件は問われません。

納付要件の確認方法

まずは「20歳から初診日のある月の前々月までの全期間のうち3分の2以上を納付または免除していること」という条件を、図をつかってみていきます。

納付要件(図)

少し都合は良いですが、20歳に到達した日(2000年4月1日)から初診日の前々月までの期間がちょうど60ヶ月の方を例にします。

この方の場合、60ヶ月のうちの3分の2が保険料納付済期間もしくは保険料免除期間であれば保険料納付要件を満たすことになります。

表で見ると以下のようになります。

 

 

もしこの保険料納付要件を満たすことができない場合、特例措置があります。

では、特例措置の条件「初診日の前々月から前1年間に未納がないこと」を表で見ていきます。

この表を見ると、1つ目の条件である「20歳から初診日のある月の前々月までの全期間のうち3分の2以上を納付または免除していること」は満たしていません。

ですが、初診日の前々月から前1年間(2004年4月〜2005年3月)には未納がありませんので、保険料納付要件を満たしたこととして扱われます

※この特例は2026年3月31日までに初診日がある方が対象になります。

 

1ヶ月にカウントされる「納付」「免除」の条件

ここまで「20歳から初診日の前々月までの期間の3分の2以上」もしくは「初診日の前々月から前1年間」が納付もしくは免除であれば保険料納付要件を満たせると書きましたが、この「納付」「免除」が1ヶ月としてカウントされるには条件があります

 

その条件とは以下です。

「初診日以前に保険料を納付していること」

「初診日以前に保険料免除の手続きを行っていること」(免除が認められなかった場合は対象外)

※一部免除の場合は、減免後の保険料の全額を納付していることも必要になります。

 

具体的に言うと、

  • 初診日以降に過去の未納を後納したとしても「0カウント」
  • 初診日以降に過去の未納が全額免除に該当したとしても「0カウント」
  • 初診日以降に過去の未納が一部免除に該当し、減免された保険料を納付したとしても「0カウント」
  • 初診日より前に一部免除に該当したが、減免後の保険料を納めていない場合は「0カウント」

ということです。

 

保険料を未納にしてきた方が障害状態になったからといって、初診日以降に後納制度や免除制度を利用したとしても保険料納付要件は満たせません。

障害を負ってしまった時に障害年金が受給できないという事態を避けるためにも、年金保険料を納付できる方はきっちり納付すること、経済的に納付が難しい方は免除の申請を行うことをオススメいたします。

 

「自分は保険料納付要件を満たしているか?」「そもそも初診日がわからない」等のお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、障害年金の専門社労士事務所・TAMA社労士事務所にご相談ください。

障害年金に関する相談は初回無料で行っております。お気軽にご相談ください。

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執筆者プロフィール

玉置 伸哉(社会保険労務士)

1982年生。八雲町生まれ旭川市育ちの生粋の道産子。

アルバイト時代の仲間が、就職した会社でパワハラ・セクハラ・給与未払いなどの仕打ちを受けた挙句に身体を壊したことをきっかけに社会保険労務士を目指す。

札幌市内の社会保険労務士事務所で7年間従事、うち6年間を障害年金の相談専門の職員として経験を積み2018年4月に退職。

2018年8月に社労士試験を受験(6回目)し、同年11月に合格。

2019年2月、障害年金専門のTAMA社労士事務所を開業。

障害年金に特化した社会保険労務士として、障害年金請求のサポートを日々行っております。

また、就労支援事業所様等において「30分でざっくり覚える障害年金講座」「障害年金出張相談会」を積極的に行っています。

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